横浜にいたはずなのに気付いたら愛媛県でホストをやっていた友達がいる。
大学時代にツイッターのアイドルヲタク垢で知り合った奴だ。
家が比較的近かったのでよくアイドルイベント行ったり渋谷に飲みに行ってアイドルの生写真を広げて遊んでいた。
こっちに帰ってくるというので俺らの青春を取り返しに渋谷に飲みに行くことにした。
真夏の全国ツアー2017東京ドーム終わりの磯丸水産での白蛤の酒蒸しがあまりにも美味かったので、あの時の感動と思い出をもう一度、と磯丸水産に行くはずだったのにあいつ煙草吸える店探した末に焼鳥屋さん予約してた。
コロナ期間中に出来た店なのかわからないが、コロナでどこも閉まってる中でも開いていて激混みしていたのは覚えてる。
めちゃくちゃ並んでいたので行ったことはない。
仕事終わって速攻準備して行った上に雨まで降っていて髪の毛バサバサ。
この日、真っ白なキャンバスという地下アイドルが渋谷でビラ配りをしているというのでまず会いに行くことにした。
無銭接触万歳。
このアイドル、メンバーの小野寺梓ちゃんって子が可愛くて5年前にお披露目デビューライブにこいつと行った。
そういえばあれも無料ライブだったな。乞食が過ぎる。
そのあと数回会いに行ったことはあるし最初に行ったから最初の時は認知してくれてたんだけどさすがに5年も経ってアイドルが覚えてるわけがない、秒であずにゃんを見つけたのでその友達と合流即あずにゃん凸、かわゆ〜〜♡♡ってなって居酒屋行った。
アイドル可愛いな〜あずにゃん可愛かったな〜。
でも俺はいいんだ、手の届かない子に興味はないしどうにか頑張ってアイドルと本気で繋がろうという気概もない、一般人の世界で生きていくんだ。
外人店員しかいない地下の居酒屋、電波届かなくて死んでた。
でもテレビでのサッカーブラジル戦はしっかり放送されてた。
ついでにビールがアサヒだった。
ホストの仕事は大変だ。
地元に帰るだけなのに、地元の女がいるんじゃないかと客に疑われ、証拠写真として男といる写真を送らなければならないらしい。
この私、写りが良い。
てか私の方がホストみたいな見た目してんだよな。
何話したかとか意外とどうでもいいんだよな、なんか話してたことが大事だと思うんだよ（まじで何話したか覚えてない）。
わかることは俺たちはあの時と違ってもう生写真も写真集も握手券もペンライトも推しメンタオルも手元に持っていないことだ。
思い出は思い出としてしまって、また次へ人は行くのだ。
大学時代一番絡んでたのがツイッターのヲタクたちだったし、あの時は本当に楽しかったんだよな。
去年俺が手首切り裂いてたときこいつにあの時は確かに楽しかったしそれ思い出してしんどくなる時もあるけど死んだら終わりだからって言われてね、普段その辺の奴にそんなこと言われたら次はてめえの喉切り裂くぞって感じだけど人間の世界には関係性というものがあるからね。ありがたいね。
こんな話はこの日全くしてないんですけどね。
普通に忘れてた。
ホストのイキリサングラス借りたのでパリピみたいな顔した。
このまま終わっては白蛤の酒蒸しを全く回収出来ておらず、こいつが東京に来た意味が全く無くなってしまうので磯丸水産に向かった。
すぐ近くの磯丸水産に入り白蛤の酒蒸しを頼もうとしたがメニューに見当たらなかった。
とりあえず近くの店員にありますか？と訊くと「ちょうど今切らしちゃってるんですよー！」と言われたので白蛤の酒蒸しをどうしても食べたい俺は暴れ狂い、「俺は白蛤の酒蒸しを食べに来たんだぞ！！！どうしても食べたいので別の店舗に行く！！！じゃあな！！！！」と言って出てきた。
別の店舗へ行き、また見当たらなかったので店員に尋ねると「メニューから消えました」とのこと。
もう怒る気力もなかった。
俺は静かになんだかよくわからない貝を注文した。
渋谷の平成女学園の通りにあるてけてけ、大学時代にこいつとか他のヲタク達と何度も行っていた思い出の店なんだが、この日磯丸水産から磯丸水産へと歩く途中に通ったら潰れていた。
お前は早稲田大学の隣から出てくるなよ鶏ヤロー
時間が過ぎるのは早い、磯丸水産を後にして電車に乗った。
方向が同じだったので同じ電車で途中まで帰った。
普通にいつでも会える感じでまたねーって降りたけど距離的にも仕事的にも全然会う機会ないこと考えると寂しいもんだな〜と思った。
意外と飲んでいたようで、帰ったら割とすぐ寝てしまった。
