最近面接にもかなり慣れてきて、スラスラ喋れるようになってきた。周りの人のおかげである。職歴に穴が出ないように会社の名前使っていいよと言ってくれたり、仕事紹介してくれたり。周りの人というか一人だ。俺がしてたのは車出しだけだ。あと内定出たとこの面接官がコミュ力あると言ってくれたことも大きい。これって武器になるんだ、と思って、同じように明るく会話途切れないように話すようになったし、無駄に萎縮もしなくなった。でもそれは元は職歴の穴が埋まったり、その点の説明をするアドバイスをくれた人のおかげだ。コミュ力を適当にアピールするために、塾講師は人とよく関わるのでコミュ力が付く的なことを言っている。実際は子供相手に偉そうにしているだけだ。
けど最近思うけど別に俺はコミュ障じゃないと思う。ただ別に話す必要のない人とは話せない。何も話すことがないし、その後めっちゃ気にするから。けど話そうと思えば話せる。スイッチが入れば、話す気がある人とは話せる。「うん」「そうだね」「たしかに」「笑」しか返してくれない女の子とはたぶん無理だ。きっとみんなそういう辛い経験をしていると思う。してないならして来い。
既卒で良かったと思うことが少しだけある。上に書いたように俺は職歴の穴がバイトとはいえ一応理屈として繋げられるように埋まっているから出来ることなんだが、「就職活動」ではなく「転職活動」ということにできる。
新卒カードは最強だ、たしかに。でも新卒採用の面接官はみんな知っていると思うが明らかに学生を見下している。「こっちが選ぶ側だが？」という態度がもう溢れかえりすぎて部屋に充満している。モラウがレオル倒した時の二酸化炭素かってくらい充満している。新卒就活をした人たちはみんなブチ殺してやりたいと何度も思ったことだろう。
それに比べて「転職活動」となると、俺が未経験OKのところを受けているせいかもしれないが面接官がかなり優しい。というか、人として見てくれる。人をスペックで測ってない。社長が面接する会社でもそう。もちろん志望動機とか異業種に行く理由とかは聞かれる。でもそれに対して理解不能な、「え、今言ったが？」みたいな質問は来ない。というかそんなの来たらこっちも「え、今言ったが？」みたいな態度で返す。新卒採用はこっちも「雇っていただく側」だと思っているせいかなんか萎縮してしまう。大企業だから、とか、人気の会社だからとか、そんな理由かもしれないから真面目に就活した人が怒ったらごめんけど、俺は今そんなふうに感じてる。
あと職歴にバイトの正確な年月日を書かなくていいから適当にごまかせる。これめちゃくちゃ良い。
俺は塾講師のバイト年度末来る前にバックれて辞めたりして断続的にしかやってないけど普通にずっとやってたことにしてる。そんなこといちいち確認するわけがないしされたらその会社に行かなきゃいいだけ。普通に落ちたと思えばいい。
マジでこれは助かる。「なんで辞めたんですか？」が無い。「なんで異業種に？」にはちゃんと対応できるし。
こんな感じで良いこともあるからこれで良い会社見つかったら新卒カード切らなかった後悔も少しは薄らぐな〜と思っている。元々大手に行きたい的な考えは無いので。ちなみに大手だと学生時代にアクセンチュアに書類出して落ちたことはある。書類落ちって。
そんな感じで面接が終わると外は暗くなっていて郵便局もあと15分で閉まる時間だった。
15分で郵便局までは行けない。でもまだ開いているので電話すると、保管期限を延長してもらえた。
帰ってぼーっとしても時間を無駄にするだけだし、ウーバーイーツをすることにした。
帰って着替えてウバッグ持って徒歩10分のバイク置き場へ向かい、その駐車場直前で気付いた。
バイクのキーを忘れた。
「もう今日だめだわぁ…」と素で声が出た。スマホ、不在票に続きバイクのキーである。
戻るしかなかった。バイクで戻れば一瞬だがそんなことはできない。10分歩いて戻った。
もう全てを諦めてしまいたかった。適当な飯と適当な酒を買ってぼーっとしたかった。
でもその方が嫌悪感が残ることは確実だ。最近の俺は違う。今まで諦めていたことを諦めなくなったんだ。家族にも言われた。
遅刻しても連絡して面接に行くし、その日だって悔しくて仕方なかったが諦めずにキーを持って再び駐車場へ行きウーバーイーツを始めた。
バイクに乗り出すと、トレーナーにかいた汗がベタベタと背中に張り付いて気持ち悪いことこの上なかった。
でもここは都心。ウーバーイーツの効率は実家とは桁違いだ。いや、桁は同じだ。
2時間ちょいくらいやって帰った。時給は2000円を超えて良い感じだ。行き帰りの無駄な時間やガソリン代も最小限に抑えられる。
なんとなくこのへんの地域が気に入りそうだ。なんか住むとそれなりに気に入るもんだよね。住めば都(？)
