24歳ニートのブログがバズって金になればいいのに

16歳弟「俺が24歳だったらとりあえずなんかしら働くけどね」

 

 

高校1年生の秋、肺気胸で1週間入院した。マジで何もやることがなくてYouTubeとか見てて、中学2年生の時に知った曲が割と好きだったSPYAIRというバンドを思い出した。知った曲はドラマハンマーセッションの主題歌、LIARだった。

検索して最新曲を聴いたらそれも好きだった。当時の最新曲はWENDY。どんどん気になってきて、他の曲もたくさん聴いた。みんながそんなに知らないロックバンドを好きになる自分も少しずつ好きになっていった。退院する頃には俺はSPYAIRのファンになっていた。

 

SPYAIRはあちこちで「ライブに来てほしい」と言っていた。

それまでもB'zやRADWIMPSONE OK ROCKなどそれなりに曲が好きなロックバンドはあったが、メンバーの声に耳を傾ける程ではなかった。もちろんテレビに出る歌手なんかはライブに来てほしいなんて話をテレビですることは滅多にない。

だからこのSPYAIRの言葉は当時の自分にとってすごく新鮮だった。

 

ライブなんて全ての曲を知っていなきゃいけない気がするし、当時の俺にはかなりハードルが高かった。

でもそれよりSPYAIRが伝えていたのは、生の音を聴いてほしいということだった。それにSPYAIRの楽曲はどれも好きで、聴き始めて1ヶ月経つ頃にはメジャーデビュー後の曲はだいたい知っていたからライブに行っても大丈夫だろうという気になれた。

 

直近のライブはSPYAIRの初の武道館ライブだった。しかもそこでDJのENZEL☆の脱退も決まっていた。チケット情報を見たけど、その時にはもう完売していて行くことは出来なかった。

 

年が明けて、Twitterで初めてリア垢以外のアカウントを作ってみた。SPYAIRが好きな人と繋がりたかったし、もっといろんな音楽を知りたかった。

 

ある日そのアカウントを見ていると、「MWAMがMステ!?!?見るしかない!!!」というツイートでTLが溢れかえっていた。俺はMWAMが何のことなのか全くわからなかった。が、ロック好きの自分をかっこいいと思い始めていた俺にはそんな話題になるバンドを知らないことが許せなかった。すぐに検索した。

 

出てきた写真に戸惑いを隠せなかった。今一生懸命検索してみたけど出てこなかった。当時のアー写だと思う。黄色のバックに画質の悪い狼頭が5人並んでいた。

 

「は〜〜〜ん、見た目で売るバンドね」

普通にそう思った。でも知らないのは悔しいのでとりあえずYouTubeで何曲か聴いた。初めて聴いたのは何だったんだろう、ゲロンかフライアゲインあたりだったと思う。全然しっくりこなかった。「ボーカルよりギタボのボーカルパートが多いのやめろやw」とかいうコメントがあったのを覚えている。

 

当時の俺は結構きちんと一つのバンドを調べていたらしい。その後distanceという曲を聴いた。サビの高速バスドラがめっちゃかっこよくて、一気に好きになった。

当時まだ2枚しか出ていなかったフルアルバムを両方借りて、たくさん聴いた。正直なんでそんなに好きなのかよくわからないけど好きでずっと聴いてた。もちろんMステは見たし、見る頃にはすっかりMAN WITH A MISSIONのファンになっていた。ちなみにやってたのはEmotions。今でも代表曲だね。

 

SPYAIRとMWAMは俺がロックを好きになって最初に本気でのめり込んだ2バンドだった。

この辺からライブにもどんどん行くようになって、SPYAIRサクラミツツキツアーファイナルを皮切りに真夏の三番勝負(毎年やるとか言っておきつついつの間にかJUST LIKE THISにすり替わったが)3日連続参戦、MWAMの横浜アリーナなど、加えてCDもシングルまで買っていた。

こんな感じで俺のロックファン人生は始まっていった。

 

でもこの2つのバンドは結構違う道を歩んでいた。

そもそも世代も違うし(こんなこと言うのはアレだがマンウィズはもう今40代半ば〜後半くらい、10FEET・ホルモン・エルレとかと同世代だったと思う)楽曲の方向性もちょっと違う。結果的に狙っていった市場も違った。SPYAIRはアニソン路線で一般受けを狙いに行ったし、マンウィズはフェスなどにたくさん出る一般的なロックバンド路線を辿った。

だからこの2つのバンドを好きでも、同時に観れることなんてずっとなかったし、今後もないと思ってた。

 

2021年11月、お金ないから今回はやめとくか〜と思っていたMWAMのツアーゲストとしてSPYAIRが発表された。

 

意味がわからなかった。

衝撃だった。

自分一人なら見逃していたかもしれない、教えてくれた元カノにも感謝している。俺のためのライブと言ってくれたし、まじでそう。

神は俺を見ているのかと思った。

 

お金がないとか関係なかった。チケなんてもうないと思っていたが、まだ間に合った。申し込んだ。

 

チケットが取れた。

 

12月7日、会場であるSPYAIRの地元、名古屋へ向かった。

正直着いて嫌なことだらけだった。着いた瞬間雨で傘持ってないし駅まで10分くらい歩かされるし母の友達がやってる店に行こうと思ってたけど何時に着くだの電話くれだの事前連絡が死ぬほどめんどくさいしこのタイミングでバチりまくってる不動産屋から連絡くるし、もう無理すぎて名古屋駅で座り込んでしまった。不動産屋にもブチギレLINEを送っていた。何分そうしていたか知らないが、死んだ目をして真下の床を見つめていると駅員が声をかけてきた。話す気力もなくて逃げるようにその場を去った。

別の場所で同じようにうずくまって、とりあえずお酒を飲もうと思った。手羽先が食べられる居酒屋へ向かった。手羽先と焼き鳥とビールを頼んだらなんか元気が出てきた。ビール3杯と日本酒1合を飲んで、会場へと向かうことにした。

雨で傘が欲しかったので、傘レンタルサービスを使おうと思ったがエラーが連発して結局借りられなかった。なんかこの日は本当にツイてない。モバイルバッテリーとイヤホンも忘れてるし。最近遅刻はしないけど忘れ物めちゃくちゃ多い。

 

会場に着いた。ライブが始まった。「MAN WITH A MISSION Merry-Go-Round Tour 2021」と書かれた幕の前でSPYAIRが演奏している。

理解が追いつかなかった。ずっとあわあわしていた。

実は10年前に対バンしたことがあるらしい。なんかそんな話をかなり昔に見たような気はするけど過去には戻れないし知る由もない時期だったのであまり気にしていなかった。俺はその時のSPYAIRは知ってたかもしれないけどライブに興味はなかったしマンウィズは知らなかった。マンウィズが結成されて最初のツアーだったらしい。

意外と繋がりや想いがあったみたいですごく嬉しくなった。

 

マンウィズ、神セトリだった。ワビサビとか初めて聴いたと思う。びっくりした。

メンバーがSPYAIRのタオル持ってSPYAIRの話してて、意味わからないけどだんだん、あ、これ本当に現実なんだ、って気がしてきた。素晴らしいセトリのままライブは終わった。

 

2バンドともお互いのバンドのこととか、この10年のこととか、コロナ禍のこととか、なんかどれも話してた内容がすごい響いた。

「どうせどのバンドでも好きならそうなるんでしょ?」と思われそうだしそうかもしれないけど、この2バンドを好きで良かった。

 

コロナ禍のライブだが、指定席には慣れてきた。でも一つ思うことがあって、指定席の席が広い時と狭い時があんのよ。これ動ける度合いがかなり変わるから満足感もかなり変わる。ポートメッセは狭かった。声出せないライブももう嫌になってきたけどな……。あとコロナ関係ないし音楽用の会場じゃないしこれは仕方ないんだが、音が悪かった…………。わかっててもちょっとショックだった。せっかくの機会だったし。

 

でも本当に最高のライブを観れた。IKEがTwitterで「生きてきてよかった」って言ってたけど、俺もそうだ。ライブ中にそこまで思ったわけじゃないが、たまには良いこともある。生きてきて、というか、人生を歩んできて良かった。様々な想いと経験を積み重ねてきて良かったと思う。だから今この感動があるし。本当にありがとう。

 

名古屋住みのヲタクの友達が急遽車で来てくれて味仙っていう中華料理屋に行った。マジで辛すぎて美味しかったけどなんかもうよくわからなかった。夜行で帰った。

夜行は嫌だな、バスなのはいいけどスマホとか使えないし寝る以外やることないのが嫌。しかも寝れないし椅子なんかで。新幹線乗りたい。